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2021.09.24

採用ノウハウ

障害者雇用の求人を出すメリットやデメリットと法律上の注意点

障害者の雇用を目指して、求人を出すことを検討するケースが増えてきています。ただ、自社にとってどのようなメリットやデメリットが生じるのかがわからず、実行に移せずにいることもあるでしょう。障害者を雇用するときには、法的に気を付けなければならない点もあります。この記事では障害者雇用の求人を出す際に押さえておくと良いポイントを紹介します。
 

障害者雇用の求人を出すメリット

 
障害者雇用の求人を出すメリット

障害者雇用を目指して求人を出すメリットは、業務改善や生産性の向上になることがまず挙げられます。障害者の中にはスキル開発に力を注いでいる方も大勢います。ハローワークに登録して求職活動をしている障害者にはトレーニングを受けてきた方も多く、特定の業務について優れた能力を発揮することが少なくありません。必要なスキルがある人材を獲得できるチャンスがあるのが魅力です。

さらに、障害者雇用を進めることでCSR活動として社会に示すことができ、企業価値を高められるのもメリットです。企業は社会的責任を果たすべきだという考え方が広まり、SDGsへの貢献も求められるようになりました。障害者雇用はその一つとして明確に示すことができる取り組みです。

この他にもダイバーシティの促進につながるメリットがあります。多様性を受け入れる企業文化を築き上げ、柔軟な視点でさまざまなアイデアを創出するには、異なる文化を持つ人材を採用するのが効果的です。障害者は知的障害や身体障害などを負いながら懸命に生きてきている方たちです。現場のメンバーとして迎え入れることで意識改革を起こすことができます。
 

障害者雇用の求人を出すデメリット

 
障害者雇用の求人を出すデメリット

障害者雇用の求人を出すデメリットは、現場での受け入れを促進できる体制を整える必要があることです。障害者に対して偏見を持っている人も多いのは事実です。いかに優秀な働き方ができる方だったとしても、障害があるから無理だというレッテルを貼られてしまっては本領を発揮できる場を手に入れられないでしょう。現場が理解を示して協調性を持ち、メンバーとして一緒に事業に取り組んでいくという姿勢を持たなければなりません。従業員に理解を促すための教育研修を実施することが必要になります。

また、障害者の採用では障害特性について理解できる状況も整えなければなりません。障害の種類によってどのような配慮が必要なのかを採用担当者も現場の上司や同僚も理解していないと適切な対応ができないからです。障害者は多かれ少なかれ、周囲からのサポートを必要とします。業務上の指示をするときに障害に応じてどのような指示の仕方を選ぶべきかを検討することが必要です。障害者を雇用すると対応の適切さが重要になることに留意して、十分な準備を整えなければなりません。
 

障害者雇用における法律上の注意点

 
障害者雇用における法律上の注意点

障害者雇用では法律上の注意点があります。
一つ目の注意点として、民間企業の場合だと、従業員43.5人以上の事業主は障害者を雇用する義務があるということです。そして、法定雇用率を維持しなければ納付金が必要になるのも注意点です。障害者雇用納付金制度を利用して障害者を雇用すると助成金を受けられますが、全従業員のうち2.3%以上を障害者とすることが必要になります。違反すると納付金の支払いが必要なだけでなく、ハローワークからの行政指導を受けることになるので注意が必要です。

また、二つ目の注意点として、障害があることを理由にして、不当な対応を取ってはならないのがまず重要な点です。例えば、休暇の取得を希望されたときに、他の従業員に比べて障害が原因で作業が遅れているから取得を認めないという対応は許されません。障害の種類や程度を加味しても明らかに職務怠慢になっている場合は別ですが、障害がない従業員と比較することは不当な対応として指導を受ける可能性があります。

 

障害者の受け入れ体制を整えてから求人を出しましょう

 
障害者雇用の求人を出して採用すれば業務改善につながるだけでなく、企業価値も高められるなどのさまざまなメリットがあります。しかし、受け入れ体制がきちんと整えなければならないのが課題です。また、障害者雇用を始めると法定雇用率を維持する必要が生じてきます。障害者を適切に受け入れられるように整備をしてから雇用を始めるのが大切です。

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