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2025.12.12

採用ニュース

年末・年始、求人を止めない企業が成果を上げる理由

年末年始は、なぜ「採用を止める時期」だと考えられてきたのか。年末から年始にかけて、採用活動をいったん止める。
この判断は、これまで多くの企業で半ば常識として受け入れられてきました。

背景にあるのは、紙媒体中心だった時代の採用感覚です。求人誌や折込チラシが主流だった頃、年末年始は発行スケジュールが不規則になり、合併号によって掲載量が減り、求職者も仕事探しから距離を置く傾向がありました。そのため「この時期に出しても意味がない」という判断は、当時としては合理的だったのです。

しかし現在、採用の主戦場はIndeedや求人ボックスをはじめとするWeb媒体へと完全に移行しました。ここで重要なのは、採用媒体が変われば、年末年始という期間の意味も変わるという点です。
にもかかわらず、過去の前提のまま採用を止めてしまう企業は少なくありません。その結果、本来得られたはずの採用機会や、年明け以降の優位性を、自ら手放してしまっているケースも見受けられます。

 


 

Indeed・求人ボックスには「発行日」も「休刊」も存在しない

 

Indeedや求人ボックスを、紙媒体の延長として捉えていると、大きな判断ミスにつながります。これらの媒体には、発行日という概念が存在しません。求人は掲載されている限り、24時間365日、求職者の検索行動に応じて表示され続けます。

つまり、年末年始であっても、求人が「見られなくなる」わけではありません。むしろスマートフォンの普及によって、求職者は自宅や帰省先、移動時間など、これまで以上に自由なタイミングで求人を検索するようになっています。

実際、近年のデータを見ると、年末年始に応募数は一時的に落ち着くものの、検索数や求人閲覧数は大きく減少していません。応募という行動が減る一方で、「情報収集」や「比較検討」は継続して行われているのです。

この事実は、年末年始が「採用が止まる時期」ではなく、「意思決定の準備が進む時期」であることを示しています。

 


 

求職者は年末年始に何をしているのか

 

年末年始は、求職者にとって一年を振り返るタイミングです。ボーナスの支給、仕事の区切り、家族や友人との会話を通じて、「今の働き方を続けてよいのか」「来年はどうしたいのか」と考える人が増えます。

ただし、この時点で多くの人は、すぐに応募するわけではありません。まずは求人を検索し、企業ページを読み、条件や仕事内容を比較しながら「候補」を絞り込んでいきます。そして年明け以降、実際の応募や面接へと動き出します。

Indeedや求人ボックスでは、この「候補に入るかどうか」が極めて重要です。年末年始に求人を出していなければ、そもそも比較検討の土俵にすら上がりません。一方、この時期に継続して掲載されている求人は、求職者の記憶に残りやすく、年明けの応募につながりやすくなります。

「応募が減る=求人が見られていない」これは、Web採用では必ずしも正しくありません。
Indeed・求人ボックスのデータ傾向を見ると、年末年始は応募数が一時的に落ち着く一方で、検索数、求人閲覧数、企業ページ閲覧数は極端には落ちない、もしくは微減に留まるケースが多く見られます。

これは、年末年始が「転職活動を止める期間」ではなく、「情報収集に集中する期間」になっていることを示しています。
スマートフォンで求人を検索し、「良さそうな会社」を保存し、年明けに応募する。この行動は、今や特別なものではありません。

 


 

年末年始に求人を止めることで、企業が失っているもの

 

年末年始に求人掲載を止めると、表面的にはコスト削減に見えるかもしれません。しかし、Indeedや求人ボックスの仕組みを踏まえると、その判断がもたらす機会損失は決して小さくありません。

まず、検索結果に表示される機会を完全に失います。
これらの媒体は、求職者が検索した瞬間に求人が存在していなければ、その時点で選択肢から消えてしまいます。年末年始に求人を止めるということは、求職者が最も時間をかけて情報収集する期間に、自社の存在を消していることと同義です。

さらに、年末年始は多くの企業が掲載を控えるため、競合求人が一時的に減少します。このタイミングで掲載を続けている企業は、結果として表示機会が安定しやすく、同じ条件でもクリックされやすくなります。つまり、掲載を止める企業が増えるほど、出し続けている企業は有利になる構造があるのです。

 


 

年末年始のIndeed・求人ボックスは「即採用」を狙う場ではない

 

この時期の求人掲載で重要なのは、短期間での大量採用を目指さないことです。年末年始は即決・即入社を前提にした採用には向いていません。

その代わり、Indeedや求人ボックスの特性を活かし、長期的な採用成果につながる「仕込み」を行うことができます。掲載期間が長くなることで、求人の表示履歴やクリック率、応募率といったデータが蓄積され、年明け以降の運用が安定します。また、原稿の改善ポイントや、求職者が反応しやすい表現も見えてきます。この蓄積は、年明けに求人を再開した企業では得られません。スタート地点がそもそも違うのです。

年末年始に掲載する求人では、過度な「急募感」は逆効果になることがあります。求職者はこの時期、落ち着いて情報を読み、将来を考えています。そのため、入社時期を柔軟に設定し、「年明け以降のスタートも歓迎」「まずは話を聞くだけでも大丈夫」といった余白を持たせた表現のほうが、安心感を与えます。

仕事内容についても、スキルや経験の条件を並べるだけではなく、「なぜこの仕事が必要なのか」「どんな役割を担ってほしいのか」「会社として何を大切にしているのか」といった背景を丁寧に伝えることが重要です。

Indeed・求人ボックスに掲載される求人は、単なる募集要項ではありません。それは、会社の考え方や価値観を伝えるコンテンツでもあります。年末年始は、求職者がそのコンテンツをじっくり読む時間を持てる、数少ない時期でもあるのです。

 


 

Indeed・求人ボックス時代、年末年始は「止め時」ではなく「仕込み時」

 

Indeed・求人ボックスが主流となった現在、年末年始は採用活動を止める理由にはなりません。むしろ、競合が減り、求職者がじっくりと考えるこの時期は、掲載を続けている企業にとって有利な条件が揃っています。

年末年始に求人を出すかどうかは、単なる運用判断ではなく、採用を短期対応で終わらせるのか、長期戦略として捉えるのかという姿勢の違いでもあります。

来年の採用を安定させたい、Indeed・求人ボックスでの成果を底上げしたいと考えるのであれば、年末年始の求人掲載は十分に検討する価値があります。それは決して無駄なコストではなく、未来の採用を楽にするための投資なのです。

 

年末・年始の求人掲載のことでご不明点やご相談したいことがございましたらお気軽にお問い合わせください。

 

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