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採用ノウハウ
採用マーケティング最前線!SNS×企業ブランディングについて
「求人を出しても若手が応募してくれない」「応募しても実際に来社してくれない」──そんな悩みを抱える企業が増えています。背景にあるのは、Z 世代・ミレニアル世代を中心とした情報収集チャネルの変化です。
彼らはスマホ片手にInstagramやTikTokを開き、興味をもった企業の雰囲気や社員のリアルな働きぶりをチェックしています。従来の採用説明会や求人広告だけでは伝えきれない「社風」「社員の等身大の声」を、SNS × 企業ブランディングでいかに届けるか――本記事では、その最前線と成功のカギを事例を交えてご紹介します。
なぜSNSが採用に効くのか?
まず押さえておきたいのが、「SNSを使う理由」です。
テキスト中心の情報に比べ、短尺動画や写真は企業文化や職場の雰囲気を直感的に伝えられます。しかも、プラットフォームごとに得意とするコンテンツが異なるため、Instagram では「ビジュアルの世界観」を、LinkedIn では「業界をリードする知見」を、TikTok では「素のリアル」を見せ分けることで、幅広い層へのリーチと深い理解を同時に得られるのです。
例えば、ある地方の製造業A社では、TikTokで「ねじを高速で組み立てる様子」をユーモアたっぷりに早回しで投稿したところ、全国から「こんな職場で働きたい!」と技術志望者が殺到し、応募数が前年の3倍になりました。
これは「製造業=地味」というイメージを、社員の生き生きとした表情とテンポ良い編集で一変させた好例です。
Instagram採用の特長
ビジュアル訴求の強み:写真とリールを組み合わせて企業の世界観を統一的に表現可能
ストーリーズで双方向コミュニケーション:Q&Aやアンケートで求職者の不安を即解消
Instagramは写真やリールで世界観を統一的に表現できるのが魅力です。広告色の強いフィード投稿と、カジュアルなストーリーズを組み合わせることで、仕事内容と社内のリアルな姿を両立して見せられます。
広告代理店A社では、入社1年目の若手社員にアカウント運用を任せ、実際の“リアルな1日”を発信。ストーリーズでQ&Aを開き、「面接準備はどうしたらいい?」「社内イベントはある?」といった質問にその場で回答する形式を取りました。その結果、説明会申込数は前年比+30%、エントリー者の満足度も向上しました。「心の壁が取れた」という声が多く集まり、離職率低減にも寄与しています。
美容・コスメB社では、インターン募集や合同説明会情報をフィード投稿とリールで展開。ストーリーズでは商品の使い方デモやビフォーアフター動画、社内での「新製品開発会議」の舞台裏などを継続配信することでファン化が進みました。その上で学生からの質問に人事が回答するライブ配信を組み合わせたことで、説明会申込数が従来比+35%を達成しました。また「ショップ機能」を活用して採用ページリンクを付与し、応募導線もスムーズになりました。
LinkedIn採用の特長
ハイクラス層へのアプローチ:エグゼクティブやグローバル人材に直接DM(InMail)可能
企業ブランディング強化:Thought Leadership記事や社員の声を公式ページで発信し、企業価値を高める
管理職や専門職、グローバル人材を狙うならLinkedInが必須です。
LinkedIn活用のコツは、「企業ページの最適化」「記事コンテンツでの信頼醸成」「InMailと投稿のハイブリッド運用」。単なる求人情報ではなく、「なぜこの事業に挑むのか」「社員はどう成長しているのか」をリアルに示すことで、ターゲット層の心を動かせます。
IT・WebサービスC社ではDM(InMail)と投稿を組み合わせた施策で、スカウト返信率ほぼ100%、母集団形成数は従来比2倍を実現しました。リモートワークの風景やエンジニアの開発あるある、バックエンド/フロントエンドチームの協働シーンをカジュアルに発信したり、独自技術やプロダクト開発ストーリーを記事として発信することで、ハイクラス人材の母集団形成から社風にあった方の採用にも繋がりました。
製造業D社では、海外拠点拡大に伴い、LinkedIn上でグローバル向け求人を多言語で掲出。過去応募者リストをAIで再スクリーニングし、即戦力候補や幹部人材候補をピンポイントにアプローチしました。結果、グローバル中途採用の母集団形成工数が従来比-40%になりました。
TikTok
TikTok採用の特長
圧倒的なリーチ力:月間アクティブユーザー数1,200万人超のTikTokは、特に18~24歳への訴求に効果的
“素のリアル”が好まれるプラットフォーム:社員の日常や社内あるあるが“盛らずに伝えられる”ことが若年層の心を掴む
TikTok の強みは、何より「素のリアル」が好まれる点です。
動画は30秒以内の縦型が基本ですが、社員が日常の“あるある”を語るだけで共感を呼びます。成功へのポイントは、「シリーズ化」「音声トレンドの活用」「明確なCTA」です。一度きりの投稿ではなく、社員数名をローテーションで起用し続けることでフォロワーに“顔なじみ感”を生み、同時に流行の楽曲や効果音を取り入れてアルゴリズムの恩恵を最大化します。
IT ベンチャーE社では、若手社員を起用した“業務あるある”短編シリーズを配信。飾らない演出で再生数10万回超えを連発し、エントリーフォームへの流入が前月比400%になりました。特に「#リモートワークあるある」「#会議室の本音」などハッシュタグを自社カルチャーに合わせて設計し、共感を呼んだ点がポイントです 。
飲食店運営F社では、店舗での現場動画を「ユーモア」と「早回し」で投稿し、飲食業界志望の若年層からのフォロー率が従来比3倍に増加。社内インタビューや研修のワンシーンをミニドラマ風に編集することで会社への関心度も高まりエントリーも前年同期比+25%を記録しました。
クロスチャネル戦略と改善サイクル
各チャネルの強みを活かすだけでなく、コンテンツを横断的に再活用することが効率化の鍵です。TikTok 用のショート動画をInstagram リール向けに再編集し、LinkedIn にはダイジェスト版と記事リンクで展開。全チャネルで統一のハッシュタグ(例:#JoinOurTeam)を使い、「この企業なら安心だ」「面白そうだ」と候補者が感じる体験を一貫して設計します。さらに、プロフィールリンクから専用ランディングページ、カレンダー予約までをワンストップ化すれば、応募のハードルを大きく下げることができます。
また、採用マーケティングの効果を高めるには、数値を見える化し、常に改善する仕組みが欠かせません。
たとえば…
・動画再生後の完視聴率
・応募フォームへのCTR
・DM(InMail)の返信率
・説明会申込数
などをダッシュボードでリアルタイムに追い、月次レビューでPDCA を回します。上記例に挙げた企業は各社このサイクルを回すことで、SNS経由の応募数が増加しました。
SNS×企業ブランディングによる採用マーケティングは、今や「やるか・やらないか」の段階を超え、「誰がどのように実行するか」が成否を分けるフェーズに入っています。
単なる情報発信ではなく「企業らしい働き方体験」を候補者に届けることが本質で、最初は小さく、1チャネル・1ポジションから試し、手応えを感じたら横展開。社内にSNS運用のガイドラインとクリエイティブ体制を整え、炎上リスクを抑えながらスピーディに改善を続ける。こうして蓄積した「体験価値」は、やがて強力な母集団形成と離職率低減につながります。
上記事例やノウハウを参考に、あらゆるチャネルを横断して一貫したブランドメッセージを発信し、“働きたい企業”として選ばれる存在を目指しましょう。
SNS×企業ブランディングによる採用マーケティングに関することでご不明点やご相談したいことがございましたらお気軽にお問い合わせください。